IBM Lotus Symphony


データベース機能

ここでは、データベース (1 行のデータを 1 つのレコードと見なす) のデータを処理する関数について説明します。説明する関数は次のとおりです。DCOUNTDCOUNTADGETDMAXDMINDPRODUCTDSTDEVDSTDEVPDSUMDVARDVARP

データ例:

ここでは、いくつかの関数を説明するときに次のデータを例として使用します。

範囲 A1:E10 は Joe 君の誕生日パーティに招待した子供のリストです。各エントリには次のような情報が提供されています。列 A には名前、B には学年、年齢、通学路 (メートル)、体重 (キログラム) が入っています。

  A B C D E
1 名前 学年 年齢 通学路 体重
2 Andy 3 9 150 40
3 Betty 4 10 1000 42
4 Charles 3 10 300 51
5 Daniel 5 11 1200 48
6 Eva 2 8 650 33
7 Frank 2 7 300 42
8 Greta 1 7 200 36
9 Harry 3 9 1200 44
10 Irene 2 8 1000 42
11          
12          
13 名前 学年 年齢 通学路 体重
14       >600  
15          
16 DCOUNT 5      

セル B16 の数式は、=DCOUNT(A1:E10;A1:E10;A13:E14) です。

データベース関数のパラメータ:

次に、すべてのデータベース関数のパラメータ定義について説明します。

データベース は、データベースとして使用するセル範囲です。

データベースフィールド は、データベース関数において参照が可能な場合、データをさらに特定するためのデータベースフィールドを示します。列のヘッダー名を使用して列を参照するには、ヘッダー名を引用符で囲みます。

検索条件 とは、検索条件を含むセル範囲のことです。 1 行に複数の条件を入力すると、条件は AND でつながります。連続する複数の行に検索条件を入力すると、その条件は OR でつながります。検索条件の範囲内にある空白セルは無視されます。

[ファイル] - [プリファレンス] - [Lotus Symphony 表計算] - [計算] を選択し、同じエントリを検索するときの Lotus 表計算の動作を定義します。

DAVERAGE

DAVERAGE は、データベース内で、検索条件を満たすすべての行 (レコード) のすべてのセル (データフィールド) の内容の平均値を返します。

検索は、正規表現をサポートします。

テキストの入力直後にたとえば「all.*」を入力すると、「all」の後に任意の文字が続く最初のパターンが検索されます。

構文

DAVERAGE(データベース;データベースフィールド;検索条件)

列のヘッダー名を使用して列を参照するには、ヘッダー名を引用符で囲みます。

年齢が同じ子供たち全員の平均体重を知るには、次の数式をセル B16 に入力します。

=DAVERAGE(A1:E10;"体重";A13:E14)

「年齢」の下にあるセル 14 には、7、8、9 のように年齢を 1 つずつ入力します。その年齢の子供全員の平均体重が、そのつど表示されます。

DCOUNT

DCOUNT は、検索条件に一致する数値を含むデータベース内の行 (レコード) 数を返します。

構文

DCOUNT(データベース;データベースフィールド;検索条件)

「データベースフィールド」パラメータには、データベース全体か数字の 0 を入力できます。しかし、このパラメータを空にすることはできません。列のヘッダー名を使用して列を参照するには、ヘッダー名を引用符で囲みます。

上記例において、通学路が 600 メートルを超えている子供の人数を知りたいと仮定します。そして、この結果をセル B16 に格納することにします。まず、カーソルをセル B16 に設定します。数式 =DCOUNT(A1:E10;A1:E10;A13:E14) をセル B16 に入力します。あるいは、数式 =DCOUNT(A1:E10;0;A13:E14) を入力します (上記文法上の注意を参照)。[インスタントパイロット: 関数] は、範囲の入力に使用できます。

データベース とは、先頭行 A1:E10 も含む、分析対象のデータ範囲のことです。データベースフィールド は検索の対象になる列で、ここでは通学路です。検索条件 とは、検索条件を入力した範囲を指し、ここでは A13:E14 となります。

2 年生のうち 7 歳を超えている子供の人数を知るには、セル D14 からエントリ「>600」を削除して、「学年」の下にあるセル B14 に「2」を入力し、その右にあるセル C14 に「>7」を入力します。結果は「2」です。つまり、2 年生のうち 7 歳を超えている子供は 2 人いることを示しています。2 つの検索基準は同じ行にあるため、論理積が適用されます。

次の関数も参照してください。

COUNTBLANKCOUNTIF

DCOUNTA

DCOUNTA は、検索条件に一致する数値または英数字を含むデータベース内の行 (レコード) 数を返します。

検索は、正規表現をサポートします。

テキストの入力直後にたとえば「all.*」を入力すると、「all」の後に任意の文字が続く最初のパターンが検索されます。

構文

DCOUNTA(データベース;データベースフィールド;検索条件)

上記例において、名前の先頭がアルファベットの E 以降から始まる子供の数も検索できます。B16 の数式を編集して、関数名 DCOUNT の後ろに「A」を入力します。古い検索条件を削除して、名前 の下にあるセル A14 に「>=E」を入力します。結果は「5」です。ここで 8 行目にある「Greta」の値をすべて削除すると、結果は「4」に変わります。8 行目には値がなくなり、この結果には含まれないためです。名前「Greta」はテキストであり、値ではありません。

次の関数も参照してください。

COUNTBLANKCOUNTIF

DGET

DGET は、検索条件に一致する、データベース内の 1 つのセルの内容を返します。セルが見つからない場合は #VALUE を、2 つ以上のセルが見つかると エラー: 502 を返します。

検索は、正規表現をサポートします。

テキストの入力直後にたとえば「all.*」を入力すると、「all」の後に任意の文字が続く最初のパターンが検索されます。

構文

DGET(データベース;データベースフィールド;検索条件)

列のヘッダー名を使用して列を参照するには、ヘッダー名を引用符で囲みます。

上記例において、セル A14 に名前が入力されている子供の学年を知りたいと指定します。数式は B16 に入力します。この数式は前出の例とは少しだけ異なります。これは、データベースフィールド に入力できるのは 1 つの列 (1 つのデータベースフィールド) だけであるためです。次の数式を入力します:

=DGET(A1:E10;"学年";A13:E14)

A14 に、名前 Frank を入力します。すると、結果「2」が表示されます。つまり、Frank は 2 年生ということがわかります。「学年」の代わりに「年齢」を入力すると、Frank の年齢がわかります。

あるいは、セル C14 だけに値「11」を入力して、この行にある別のエントリを削除します。セル B16 にある数式を次のように編集します:

=DGET(A1:E10;"名前";A13:E14)

学年のかわりに名前が検査されます。11 歳の子供は Daniel 1 人です。

DMAX

DMAX は、検索条件を満たすデータベース内のすべての行 (レコード) の中から最大値を返します。

検索は、正規表現をサポートします。

テキストの入力直後にたとえば「all.*」を入力すると、「all」の後に任意の文字が続く最初のパターンが検索されます。

構文

DMAX(データベース; データベースフィールド; 検索条件)

列のヘッダー名を使用して列を参照するには、ヘッダー名を引用符で囲みます。

各学年で最も重い子供の体重を知るには、次の数式をセル B16 に入力します。

=DMAX(A1:E10;"体重";A13:E14)

「学年」の下にあるセル B14 には、「1」、「2」、「3」のように学年を 1 つずつ入力します。学年の値を入力すると、その学年で最も重い子供の体重が表示されます。

DMIN

DMIN は、データベースにおいて検索条件を満たす行のうち、データベースフィールドの最小値を返します。

検索は、正規表現をサポートします。

テキストの入力直後にたとえば「all.*」を入力すると、「all」の後に任意の文字が続く最初のパターンが検索されます。

Syntax

DMIN(データベース;データベースフィールド;検索条件)

列のヘッダー名を使用して列を参照するには、ヘッダー名を引用符で囲みます。

各学年で通学路が最も短い子供を知るには、次の数式をセル B16 に入力します。

=DMIN(A1:E10;"通学路";A13:E14)

行 14 には学年にのみ 1、2、3... と順に入力します。 学年で 1 番短い通学路の距離が、そのつど表示されます。

DPRODUCT

DPRODUCT は、検索条件を満たすすべての行 (レコード) のデータベースフィールドの、すべてのセルの積を返します。

検索は、正規表現をサポートします。

テキストの入力直後にたとえば「all.*」を入力すると、「all」の後に任意の文字が続く最初のパターンが検索されます。

構文

DPRODUCT(データベース;データベースフィールド;検索条件)

列のヘッダー名を使用して列を参照するには、ヘッダー名を引用符で囲みます。

上記誕生日パーティの例では、この関数は有効に使用できません。

DSTDEV

DSTDEV は、データベースにおいて検索基準を満たす行のうち、データベースフィールドの値の標本をとって、母集団の標準偏差を計算します。つまり、DSTDEV はレコードをデータの標本として扱います。つまり、上記例の子供はすべての子供の典型です。ただし、1000 人に満たない標本だけでは本当の典型にはなり得ません。

検索は、正規表現をサポートします。

テキストの入力直後にたとえば「all.*」を入力すると、「all」の後に任意の文字が続く最初のパターンが検索されます。

構文

DSTDEV(データベース;データベースフィールド;検索条件)

列のヘッダー名を使用して列を参照するには、ヘッダー名を引用符で囲みます。

年齢が同じ子供たち全員の体重の標準偏差を求めるには、次の数式をセル B16 に入力します:

=DSTDEV(A1:E10;"体重";A13:E14)

「年齢」の下にあるセル 14 には、7、8、9 のように年齢を 1 つずつ入力します。同年齢の子供全員の体重の標準偏差が、そのつど表示されます。

DSTDEVP

DSTDEVP は、データベースにおいて検索条件を満たす行のうち、データベースフィールドの値をすべて使用して、母集団の標準偏差を計算します。つまり、DSTDEVP はレコードを母集団全体として扱います。

検索は、正規表現をサポートします。

テキストの入力直後にたとえば「all.*」を入力すると、「all」の後に任意の文字が続く最初のパターンが検索されます。

構文

DSTDEVP(データベース;データベースフィールド;検索条件)

列のヘッダー名を使用して列を参照するには、ヘッダー名を引用符で囲みます。

年齢が同じ子供たち全員の体重の標準偏差を求めるには、次の数式をセル B16 に入力します:

=DSTDEVP(A1:E10;"体重";A13:E14)

「年齢」の下にあるセル 14 には、7、8、9 のように年齢を 1 つずつ入力します。年齢を入力するたびに、その年齢の子供たち全員の体重の標準偏差が表示されます。

DSUM

DSUM は、入力された検索条件を満たすすべての行 (レコード) のデータベースフィールドの、すべてのセルの合計を返します。

検索は、正規表現をサポートします。

テキストの入力直後にたとえば「all.*」を入力すると、「all」の後に任意の文字が続く最初のパターンが検索されます。

構文

DSUM(データベース;データベースフィールド;検索条件)

列のヘッダー名を使用して列を参照するには、ヘッダー名を引用符で囲みます。

Joe の誕生日パーティに参加した子供たちのうち、2 年生全員の通学路の合計距離を求めるには、次の数式をセル B16 に入力します:

=DSUM(A1:E10;"通学路";A13:E14)

行 14 には学年の下にのみ 2 を入力します。2 年生すべての通学路の合計 1,950 が返されます。

次の関数も参照してください。

SUMIF

DVAR

DVAR は、データベースにおいて検索条件を満たす行のうち、データベースフィールドの値の標本をとって、平方偏差を計算します。つまり、DVAR はレコードをデータの標本として扱います。ただし、1000 人に満たない標本だけでは本当の典型にはなり得ません。

検索は、正規表現をサポートします。

テキストの入力直後にたとえば「all.*」を入力すると、「all」の後に任意の文字が続く最初のパターンが検索されます。

構文

DVAR(データベース;データベースフィールド;検索条件)

列のヘッダー名を使用して列を参照するには、ヘッダー名を引用符で囲みます。

年齢が同じ子供たち全員の体重の平方偏差を求めるには、次の数式をセル B16 に入力します

=DVAR(A1:E10;"体重";A13:E14)

「年齢」の下にあるセル 14 には、7、8、9 のように年齢を 1 つずつ入力します。年齢を入力するたびに、その年齢の子供たち全員の体重の平方偏差が表示されます。

DVARP

DVARP は、データベースにおいて検索条件を満たす行のうち、データベースフィールドのすべての値を使用して、平方偏差を計算します。つまり、DVARP はレコードを母集団全体として扱います。

検索は、正規表現をサポートします。

テキストの入力直後にたとえば「all.*」を入力すると、「all」の後に任意の文字が続く最初のパターンが検索されます。

構文

DVARP(データベース;データベースフィールド;検索条件)

列のヘッダー名を使用して列を参照するには、ヘッダー名を引用符で囲みます。

Joe の誕生日会に招待された同年齢の子供全員の体重の標本分散を検査します。B16 に次の数式を入力します:

=DVARP(A1:E10;"体重";A13:E14)

「年齢」の下にあるセル 14 には、7、8、9 のように年齢を 1 つずつ入力します。年齢が同じ子供たち全員の体重の平方偏差を求めるには、次の数式をセル B16 に入力します


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